有終の美・・・・そして出立

□さよならドッジボール大会翌朝,心地よい?二日酔いの中,PCをあけたら2通のメールが届いていた。
 昨日応援に駆けつけてくれた6年前の教え子たちからだった。
 どちらも「6年前ドッジボールに燃えていた自分を昨日のことのように想い出した」と綴っていた。

□大会当日,突然「先生」と呼び止められて振り向くと,鍋屋田小時代の「蒲公英」の教え子たちだった。
 七二会小学校のHPを見てこの大会のことを知り,私に会いに来たとのことだった。
 忙しくて十分に話はできなかったが,近況を聞き,私の新しい連絡先などを知らせた後,
 和田さんに写真を撮ってもらい別れた。 
 わずかな時間だったが,二人は明確な将来の夢を嬉々として語ってくれた。
 先週高校を卒業し,4月から一人は東京で,もう一人は地元で自分の夢に向かって
 歩み出そうとしている。

□6年前,「優勝」という夢に向かって本気になってドッジボールに取り組んでいた子どもたちだった。
 その夢は結局かなわなかったけれど,小学校を卒業してから6年間の中で,確かな将来の夢を描き,
 その夢の実現のために一歩踏み出そうとしている姿に嬉しくなった。
 ドッジを通して培われた目に見えない力が彼女たちの中学校・高校時代の支えとなっていたことは
 間違いないと思う。
 とても幸せなひとときだった。

□6年生にとって本当に最後の大会だった。
 一人一人がすべての力を出し尽くしたといってよい。
 特に準決勝の試合は,感動の一言に尽きた。亨彦が男泣きしていた。
 子どもたちは一片の悔いも残さず,ドッジボール生活にピリオドをうてたと思っている。
 まさに,有終の美を飾ることができた。
 ドッジボールを懸命に続けてきたからこそ得ることのできた「宝物」を胸に抱き,
 17日に6年生は巣立ってゆく。

〜6年生のみなさんへ〜
 いよいよ出立のときがきました。
 3年間よくがんばりましたね。
 たくさんの涙を流しました。 たくさんの汗を流しました。
 流した涙や汗の分だけ,みなさんは強くやさしくなっていきました。
 最後の大会,悔いなく終わることができましたね。
 悔いなく終えることができたからこそ,もうドッジボールのことは忘れなさい。
 がんばりぬいた3年間を過去のものとして,今日から新しい自分を創っていきなさい。
 でっかい夢を描き,ドッジで培った友情に手助けしてもらいながら,
 一人一人の道をゆっくり確かに歩んでいってください。

〜6年生保護者の皆様へ〜
 「子どもの可能性を信じる頑固さにおいては日本一でありたい」を信条として
 指導にあたってきましたが,「全国大会出場」の夢を叶えてあげられなくて申し訳なく思います。
 この無念は,来年度のチームに託します。
 3年間,大切なお子さんをお預かりしてきました。
 いつまでもこの子らとドッジボールをしていたいという未練を断ち切り,
 本日確かにお子さんをお返しいたします。
 ありがとうございました。

〜5年生・4年生・3年生のみなさんへ〜
 6年生の姿をしっかり心に刻み,明日からの練習に取り組もう。
 カラーコートに立つことを夢見て,努力をしていこう。
                         
                          

                     「夢はかなえるためにある」






ひとりになれた       No.110