ひとりになれた      No.93〜96                  
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きときと杯報告(1)
◇まずは,クラブ創設3年目にして初の県外遠征にご協力頂いた保護者の皆様をはじめ多くの方々に感謝申し上げます。
今回の「きときと杯」参加は,子どもたちにとって忘れることのできない最高の思い出となったことは間違いのないところです。
どのような2日間であったのかを報告いたします。

◇まずは20日(土)の様子です。
バスは,定刻に出発し,途中3カ所で休憩を取りながら,(初めて海を見て大感激していた子どももおりました)予定より30分ほど早く会場の「八尾スポーツアリーナ」に到着しました。
どの大会でも,一番に会場に到着するという七二会の伝統は見事,ここでも守られました。
道中,車酔いする子もなく,溝口さんが用意して下さった「JA北信大会」のVTRを興奮しながら見ていたので,あっという間に到着したという感じでした。
「NAGANOスポーツフェスタ」の敗戦時に,「パワーズはいつも男女別々に分かれているので一つのチームになっていない。」と,お説教したのが効き過ぎたのか,車内の座席は,ちゃ〜んと男女一緒に座っていたのが,とても微笑ましかったです。

◇到着後,子どもたちはアップ。保護者の皆さんには,休憩場所の設営などいろいろな所でご配慮いただきました。
お弁当を食べた後,近くのグランドで「鬼ごっこ」をしました。男女学年隔たりなく遊んでいる姿に,徐々にチームとしてのまとまりがでてきたようで嬉しくなりました。

◇午後から開会式および大会独自のセットアップの仕方などの予行練習がありました。尾畑氏の進行で,雰囲気がどんどん盛り上がっていきました。

◇そしていよいよ交流試合が始まりました。組み合わせが変更になっていたので多少戸惑いました。
第1試合は「太閤山元気ボーイズ」。夏の富山県チャンピオンです。男女混合のチームで臨みました。ボールにまったくさわっていない状態での試合でしたが,9対5で見事勝利をおさめました。
続く第2試合は富山県夏の大会2位の「針原パイレーツ」。この試合はJA県大会を想定し「蒲公英」で行いました。相変わらず守備が好調で,10対8で勝ちました。第3試合も4年生女子を入れた「蒲公英」で新潟の「ビクトリーやまと」と対戦しましたが,こちらは惜しくも8対10でした。第4試合は男子主体で京都の「畑野フェニックス」との対戦でした。8対8の引き分けでしたが,アタッカー陣の成長がうかがえました。第5試合も男子主体で臨みました。相手は昨年のクロネコ北信越大会前日に練習試合をした石川の「Yatano DC」でした。8−3で勝ちました。最後の試合は,同じく石川の「アクロバティックスターズ」。男女混合で対戦しました。7−7の引き分けでした。6試合で3勝1敗2分けはまずまずという感じでした。

◇交流試合後はすぐに宿舎に向かいました。分かりづらい場所にあるとのことで,実行委員会の方が自家用車で先導して下さいました。ここまで気を遣って頂くことに頭の下がる思いでした。細い山道を40分ほど走り,到着しました。途中かなりの急カーブを何の苦もなく曲がってしまうプロドライバー矢嶋氏の腕に,車内では拍手拍手の嵐でした。
用意された宿舎は2カ所あり,その1つは長野県と愛知県のチームに割り当てられていました。
挨拶ををすませ荷物を部屋に運び入れた後,子どもたちは風呂(温泉)に行きました。
男子は,昨年夏の全国大会優勝の「やごひがぼんば〜ず」と一緒に入浴しました。どんな話をしたのかわかりませんが,これもよい思い出となったことでしょう。

◇私は,保護者の皆さんと軽く乾杯をした後,スタッフ4名で各チーム関係者,審判団,実行委員会の面々との打合会(懇親会つまり飲み会)に出席しました。受付で信州産のリンゴを手渡すと,大いに喜んでおられました。 
会場では,メールでは幾度かやりとりをしていた方々と初めてお会いすることができドッジ談義に花が咲きました。各チームの自己紹介の時,男性スタッフT氏が,「明日の大会では優勝をめざします」と酔った勢いで言ってしまったものですから,「七二会」の名は全国区(?????)になってしまいました。
至福の時でした。

◇10時頃宿舎に戻ると,女子の数名はまだ寝付かれずに起きていたようですが,男子は爆睡していました。聞くところによると,男子は夕食後トランプやウノをやった後,おとなしく寝たのだそうです。隣の女子の部屋に遊びに行くでもなし,枕投げで盛り上がるわけでもなし,その品行方正な姿に私とT氏M氏はしばし呆然・・・・。「夜の過ごし方も教えなくちゃいけないのかなあ・・・・」と3人で苦笑いしました。
女子の方は「古里」の女子を部屋に招き,大いに盛り上がっていたとのことでした。七二会の特質として,やはり女性の方が強い?ということがここでも証明されました。  (笑)

◇翌朝は5時30分起床。
私は昨夜のアルコールのせいなのか「と・や・ま きと〜きと〜」という(知る人ぞ知る)メロディーが頭の中を駆けずり回っている状態でした。
子どもたちは,しっかり寝たようで元気に起きてきました。洗顔後アップに出ました。
昨夜は分からなかったのですが,宿舎の前はすぐにスキー場のゲレンデになっており,子どもたちは,スキー場の 坂を駆け上り大はしゃぎしていました。入念にキャッチボールをした後,朝食をとり,7時15分頃会場に向けて出発 しました。

◇前日は22チームでの交流試合でしたが,当日は全国各地から40チームが集まってきました。中越地震でなくなった4名の小学生および小谷DBCのつい先日亡くなった子への追悼の意味での黙祷を捧げ,いよいよ開会式が始まりました。

◇大会実行委員長の「用意はいいか〜」と,全員の「1・2・3」「ドッジGOGO!」の雄叫びで本戦が始まりました。
ちょうどその頃,中島教頭先生が奥様と応援にかけつけて下さいました。また,3年生と練習生も応援に到着しました

◇初戦は「ネロ・スティング(石川)」でした。Gリーグの中では是非勝ち点を取りたかった相手でしたが5−9の完敗でした。子どもたちにとって初めて体験する外野の攻撃に戸惑い守備が崩壊しました。外野のサイドにボールがまわり,中央に走りながらアタックを打つという攻撃に,2列フォーメーションが機能せず,2列が重なったところをうまく攻められてしまいました。

◇第2戦は「福光サンダージュニア(富山県)」でした。各県の上位に位置するチームばかりが参加している大会ですので,相手攻撃陣は,守備的に弱いであろうと思われる女の子と体の小さな子をまず狙ってきます。七二会もまず女子が狙われ序盤は大きくリードを許しました。中盤は盛り返して逆転をしたのですが,終盤につまらないミスも出て6−10で負けました。
この時点で2敗でしたので,決勝トーナメント進出は絶望的でした。

◇第3戦は「ORBIT(三重)」です。三重県の名門チームで洗練されたチームです。この試合は子どもたちが粘りに粘り9−8で勝利をおさめました。県外の公式戦での初勝利です。記念すべき初勝利が「ORBIT」であったことは,私の記憶にずっと刻まれるでしょう。

◇予選リーグの最終戦。第4試合は「ラスト・チャンス(兵庫)」でした。パス回しのうまいスピードのある好チームでした。Gグループの中でもダントツに光っていたチームで,勝つのは難しいと考えていたチームでした。速いパス回しに序盤中盤とリードを許し,圧倒的大差で敗れる展開でしたが,終盤に入って守備陣がふんばり,好パスを外野に送り外野が確実に攻めて,なんと8−8の引き分けに持ち込むことができました。
この引き分けが最後はものを言い,予選リーグ3位で決勝トーナメント進出を決めることができました。

◇午後から決勝トーナメントが行われました。第1試合は「七葉ドラゴンズ(新潟)」でした。昨年度の夏の全国大会出場チームで,春のクロネコ北信越大会にも出場していたチームです。いつものように序盤はリードを許しましたがよく守りしっかり攻めて9−7の逆転勝ちをおさめました。七二会のよさが十分に発揮された好ゲームでした。

◇次は,ベスト8をかけて「木曽岬ラッキーキッズ(三重)」との対戦でした。本大会に参加したチームの中でもかなりの実力があると思われる,七二会がお手本にすべきチームでした。2−10で完敗でした。攻撃のスピード正確さ,守備の安定度どれをとっても,1枚も2枚も相手が上でした。

◇七二会はベスト16という成績で大会を終えました。

◇優勝は「サザン97」でした。圧倒的なスピードと正確さ。どんな攻撃にも臨機応変に対応できる守備ラインとパスカット。対戦したすべてのチームを大差で破り,堂々の優勝でした。あまりのレベルの違いに,観客席からもため息が出るほどの実力を兼ね備えたチームでした。

◇しかし,同じ小学生です。自分たちもがんばればあのようなチームになれるんだという目標が見つかったと思います。

◇前日の交流試合,そして大会を通して,七二会の子どもたちに精神的なたくましさが出てきたことが大きな収穫でした。それは,序盤中盤とリードされていても追いついたり逆転したりする試合がとても多かったということからも分かります。 
仲間と寝食をともにし(男子は早々に寝てしまったけど・・・・)ドッジを通して心と心の交流を図れたことが,仲間意識を高め,ねばり強いチームに変身させた要因だと思います。

◇「きときと杯」参加は無駄ではありませんでした。いやむしろ凄い体験でした。学校生活の中では絶対に体験することのできない,宝物のような刺激を受けて,帰路につきました。
来年もまた参加できたらいいなあと思います。(おわり)

−余談−
例の「と・や・ま〜 きと・きと〜」の歌が3年生以上の教室で大流行しているようです。
奈津美さんは振り付けまで考えたようです。いつか披露してもらいましょう。          
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