柳原かるた
万葉の
 歌の石ぶみ
  中俣に
 万葉集は、古代から奈良時代にかけてつくられた和歌集です。わが国で今ある和歌集で最も古いものです。その中に、信濃の国の歌として次の歌がのっています。
中麻奈に 浮きをる舟の こぎでなば
逢うこと難し 今日にしあらずば
 中麻奈にとどまっている舟に乗って出発するので、今日あなたと会わなければもう会うのは難しいですね、という恋の歌です。
 この「中麻奈」がどこなのかということについて、江戸時代のわりころ、国学者の荒木田久老が、これは「水内郡中俣ではないか」と考えました。これは名前が似ているだけでなく、このあたりがかなり古くから発展して多くの人が住んでいたこと、昔の中俣はもっと川に近かったことなどを考え合わせたことによるようです。
 明治時代になって、万葉集の研究家、寺田久連松が中俣城跡に歌碑を建て、それが今日残っているのです
【い】 【ろ】 【は】 【に】 【ほ】 【へ】 【と】 【ち】 【り】 【ぬ】 【る】 【わ】 【か】 【よ】 【た】
【れ】 【そ】 【つ】 【ね】 【な】 【ら】 【む】 【う】 【の】 【お】 【く】 【や】 【ま】 【け】 【ふ】
【こ】 【え】 【て】 【あ】 【さ】 【き】 【ゆ】 【め】 【み】 【し】 【ひ】 【も】 【せ】 【す】