柳原地区の東側を雄大に流れる千曲川は、甲武信岳(標高二千四百七十五メートル)から始まり、南佐久郡の川上村から佐久平、小諸市、上田市を流れ、善光寺平に入ります。善光寺平に出ると、ゆるやかに大きなカーブをえがき、さらに長野市の落合橋で、犀川と合流し、まさに大河となって柳原を流れ、そしておとなりの新潟県へと流れて行きます。長野県内では延長二百十四キロメートルの長さとなり、新潟県に入ってからは「信濃川」と名前をかえますが、あわせると、全長三百六十七キロメートルという日本一長い川なのです。
柳原を含めた善光寺平は、この雄大な流れ、千曲川の恵みによって発展してきたといえます。川によって運ばれる栄養の多い土は、豊かな収穫をもたらしてくれました。しかし、また、この川は氾濫によって大きな水害を引き起こす日本有数の「あばれ川」ともなる川でした。かつての柳原の歴史は、千曲川の洪水との戦いの歴史ともいえます。